2015年5月17日日曜日

地肌を感じさせる


幼児部主任コーチ 境野貢


子育ては面白い。生に変化していく過程を見て行けることが、とても面白い。

人は対象物があって反応し、変化する生き物だから周りの生活環境、条件でどんな方向にも育っていく。あらためて子育てそして親の在り方を考えさせられる。

子育てにおいては「しつけ」の部分と「しごき」の部分が考えられる。「しつけ」は受動的で100%の事をこなせば許される。(人間として生きていく為のマナーでありルールだろう)

「しごき」は能動的で120%の事を要求される。(新しい人生を切り開く為の力である)

たとえば腕立て伏せの場面では出来たところで、さらにもう一回を要求される。腕を振るわせ最後の一回をクリアする。そんなトレーニングの数日後には筋力をつけ、今までの回数を無理なくこなす。出来た自信は未来を描ける。

子供達が自分の人生を積極的に行動できるようにしてやる。これが親としての役割ではないか。栄養学の先生の言葉を借りるなら「子供の身体は子供が食べた物、飲んだ物、口に入れた物以外では何ひとつ作れない」これは学問的に真実です。

子供の将来を考えるなら偏りのない「しつけ」と「しごき」はどうしても必要でないか。

子供達の中には海水の塩っぱさに文句を言い、トレーニングのさぼりの口実に使う者もいる。日の出の朝焼けを見た事がない者もいた。子供達が肌で感じ、考え、身に着けたものでなければ本当の成長はないだろう。

風は吹き、雲は流れ、潮は満ち、太陽は暖かい…。そんな事を体験を通して子供たちにしっかりと伝えたい。

 

 

『ういんど 第30号』(戸塚ヨットスクールを支援する会 平成271月末日発行)に編集を加えました。

 

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